LAMJ-B
目的を見越して質問を考える:テキストとしている朝日中高生新聞に載っていた、ある自治体によるユニークな町おこし。この町おこしに参画するとしたらどんなご当地グルメを提案するか各自アイデアをシェア、お互いの内容について質問をしてもらいました。自分にしかできない質問がすっかり得意になった生徒たちに、「自分がベストだと思う『グルメ』にあとで投票してもらいます、どんな情報があれば投票しやすくなるか、それを意識して質問してね」と伝えました。最初のうちは「純粋に自分がしたい質問」をしていた生徒たち(素晴らしいことです)。しかしどう考えればいいかを話すと、メキメキと目的に合致した質問ができるようになりました。このクラスの強みの一つはやはり、質問力だと確信します。
長い文章の付された広告:インパクトある画像とインパクトある短いコピー、というイメージが強い広告(ポスター)ですが、長い文章の広告もたくさんあることを知ってもらうために、コロナ禍でのドラえもんの一面広告を取り上げました。この広告を通して伝えたかったことは何か、ターゲットは誰か、ターゲットにどうなってもらいたいと考えて作られたか、その思惑通りになっているところはどこか。全て話し合って言葉にした上で、「もしもこの広告内容を1文だけのコピーで表現するとしたらどんな文になるか」という難題にもチャレンジ。素敵なコピーが花盛りとなりました。生徒たちのクリエイティビティはもちろん、言葉への意識、アンゲージ・アーツ実践力が目まぐるしく、どんどん育っています。いずれ皆で作る「どこでもドア」の広告作成が楽しみです。
今月扱ったテーマ:目的を見越して質問を考える(別視点で考える、目的を意識する)、長い文章の付された広告を知る・分析する(ランゲージ・アーツ、発想力)、これまで話し合った内容と自分の経験を全て繋げて「とっておきのコピー」を考える(思考力、つなげる力、ランゲージ・アーツ)、なぜ日本語には同音異義語が多いのか・なぜ人によって考え方は違うのか(俯瞰して考える)、今週の私の一言(しっくりくる言葉・文の構造を模索する力)、難しい言葉を小1に説明(語彙力、説明力、他者の立場に立って考える力)、ピア・レビュー(お互いの意見にフィードバックする)
LAMJ-A
三谷幸喜による弔辞をランゲージ・アーツ的に徹底分析: 今月は、脚本家・三谷幸喜氏が昨年、俳優の西田敏行さんの「お別れの会」で述べた弔辞を取り上げました。弔辞から一節を選んで「なぜこの一節がすごいのか」を分析してもらったところ、その一節をまず自分たちの言葉で書き換え、その書き換えと原文と比較、三谷氏の「目的」と照らし合わせ、お別れの会に参列した人たちの耳にはどのように響いたのかを想像しあって、1時間近く集中して議論していました。「お別れの会という気持ちが落ちそうな場で、でも真面目すぎる話じゃないんです、安心して聴いてください、という目的があったからこそこの話を最初に持ってきたのでは」「点の打ち方も、具体的な場所の名前も、『聞きやすさ』を重視したからでは」など、素晴らしい意見が噴出。こんな議論が自分たちだけでできるんだなあと感動するばかりです。
歴史上の人物の「弔辞」を書く: 各自、歴史上のお気に入りの人物を選び、弔辞(その人物の人生を自分なりに振り返り、いちばん心に残っていること、その人に伝えたいことを手紙のような形で書く)を書いてもらいました。生徒たちが選んできたのは、始皇帝、淀殿、谷川俊太郎。お互いの草稿に刺激を受けてより良い書き方を模索し、お互いにフィードバックを与えながら書いた最終バージョンは心がこもっていることがちゃんと言葉として伝わってくる、素晴らしいものだったと思います。自分だから書けることを見きわめること、目的から逸れないように言葉にすることができるようになってきました。AI時代にますます求められる「自分の言葉を紡ぐ力」、確実についてきています。
今月扱ったテーマ:イーロン・マスク氏の主張に潜む暗黙の前提を掘り起こす(クリティカル・シンキング)、「うつろ舟」で町おこしをするなら(クリエイティブ思考、多様な視点で考える)、三谷幸喜による弔辞をランゲージ・アーツの手法を使って分析(ランゲージ・アーツ)、歴史上の人物の「弔辞」を書く(書く力、言葉を選ぶ力、目的から逆算して表現する力)、情報を「事実」と「意見」に分ける(クリティカル・シンキング、メディア・リテラシー)、難しい言葉を小1に説明(理解力、伝える力、他者の立場に立って考える力)、ピア・レビュー(お互いの意見・文章にフィードバックする)