LAMJ-B
いちばん守りたい伝統工芸は?:テキストとしている朝日中高生新聞に伝統工芸の記事が載っていたことから考えてもらったのが「あなたがいちばん守りたい伝統工芸は?」。生徒が選んできたのは群馬高崎だるま、越中福岡の菅笠。それを選んだ理由は何?なぜその理由になるの?外国の人に魅力を伝えるとしたらどんな動画を作る?特にどの国の人に見てほしい?など、いろいろな観点からディスカッションしました。理由をなるべくたくさん考える、理由の理由を考える、相手を意識して発信を準備する—どれも、今年度のLAMJ-Bで力を入れてきたことです。講師に何を訊かれても自分ならではの意見を堂々と発信できるようになりました。考える力を磨くことで自分の視点に自信を持てる。本当に、本当にすごいことです。
谷川俊太郎さんと「言葉」について考える: 先月亡くなられた詩人・谷川俊太郎さんの「言葉の意味は辞書を引けばわかる。でも、喧嘩したり、人を好きになったりした時に出てくる言葉はきっと、辞書では定義できない」(朝日中高生新聞より)についてディスカッションしました。すごく好きと思った時や怒った時に出てくる言葉にあなたはどんな意味・気持ちをこめていたのかな…一人ひとり具体的に考え、説明してもらいました。そしてたどり着いた答えは「自分が喧嘩した時に使った言葉の意味は、辞書に全て書いてあるわけじゃない」。言葉の意味は文脈が決めるという大事なことを、理屈ではなく、生徒たちが自分事として自分の力で解き明かした瞬間。感動しました。
今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(マリー・キュリー、野口英世、ディオゲネス、ナイチンゲール)、外国人に日本の伝統工芸の魅力を動画で伝えるとしたら(相手を意識して「伝える」を意識する)、谷川俊太郎の「言葉」について考える(言葉とは何か、言葉の力と限界を考える)、クマは「有害」なのか(クマの気持ちになって昨今のクマ捕獲のニュースを考える)、森のクマさんの日記(クリエイティブ思考)
LAMJ-A
翻訳とは(谷川俊太郎さんを悼む): 今月は、先ごろ亡くなられた詩人・谷川俊太郎さんの詩をご本人の朗読で聴き、彼の言葉に対する態度に触れるところから始めました。翻訳も多く手がけた谷川さん。漫画『ピーナッツ』の原文と谷川訳を比較して「なぜ谷川さんは最終的にこの言葉・表現を選んだのか」をディスカッションし、「翻訳とは何か」を考えてもらいました。生徒たちの答えを一部抜粋します。「翻訳とは、自己表現」「訳した人によって訳し方が変わるので、その人の言葉の使い方とかちょっと極端に言うと、その人自体が現れるもの」「自分の言葉と原作者の直訳の2パターンで読者に自分の意見を持たせること」「正しく訳せるが、人の感情がこもりにくいもの」。生徒たちの言葉への意識の高まりは本当にすごいです。言葉を自分の味方にすること。世界のエリートたちが必死に模索していることです。
江國香織『南ヶ原団地A号棟』とAI小説を比較、AIの文章を「もっと江國風」に書き換える:今月後半のLA (Language Arts)では、a. 江國香織作『南ヶ原団地A号棟』と、b. ChatGPT (AI) が書いた「『南ヶ原団地A号棟』風小説」を比較しました。『南ヶ原団地A号棟』は3人の小学4年生が書いた作文という体裁になっているのですが、生徒たちには片方がA I小説だとは言わずにab両方を読んでもらい、どちらが好きか、同じ点と違う点は何か、ディスカッションしてもらいました。そして江國香織の構成・技術を分析、その分析内容に沿ってAIによる小説を「もっと江國香織風」に書き換え、「AIの小説と人間の小説の違いとは何か」を考えてもらいました。AI小説の方が「内容が頭にスッと入ってくる」という意見もあり、純然たる「情報伝達」であればAIの方がいいのかという問題も浮上。AIとどう共存するかは今世紀の最難題です。これからもLAMJだからこそできるディスカッションを通してAI問題に向き合い、新しい時代の生きる力としてもらうべく指導してまいります。
今月扱ったテーマ:闇バイトについて小6にスピーチをしたら(「話す」と「書く」の違いを意識する)、谷川俊太郎さんの『ピーナッツ』の漫画の翻訳に見る、翻訳とは何か(直訳と意訳の違い・翻訳とは何が大事か考える)、日本の伝統工芸(特に残したいものは何か、その魅力を誰に伝えたいか、どう伝えればいいか)、女人禁制から「男女平等」を考える(ジェンダー問題)、アンコンシャスバイアスは「良いものだ」と主張するとしたら(自分の意見に反論する)、AI小説とプロの作家による小説を比較・分析 (AIと言葉について考える)、プロの作家の技術に即してAI小説を書き換える (Language Arts)
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