2025年10月2日木曜日

LAMJコース9月の学習内容(2025年)

LAMJ-B

 事実と意見2.0:思考力の基礎でもあり、情報化社会を生き抜くための必須スキルである「事実と意見の線引き」。LAMJ-Bでは毎週必ず「〇〇について事実と意見を探す」ということをやっています。生徒たちの線引き力がどんどん上がってきたので、今月は「調査結果の数値をどんな言葉で表現すれば『事実』となり、どんな表現だと『意見』になるのか」を考えてもらいました。目の前にある「事実」にどこまで人間の解釈が入り込んでいるのか。ちょっとした言葉の違いで意味範疇はどれだけ変わるのか。皆、言葉への鋭い意識を持っています。

 

村竹ラシッド選手の「何が足りなかったんだろう」:ランゲージ・アーツ(LA)の基礎力をつけるために、さきの世界陸上で入賞した村竹ラシッド選手が試合後に泣きながら口にした「何が足りなかったんだろう」という言葉を取り上げました。「足りない」とはどういう概念か、「足りない」という言葉を使う背景に村竹選手にはどんな思いがあるのか。似て非なる表現と比較しながらディスカッションしました。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉(フランツ・シューベルト、平塚らいてう、ウィリアム・バロウズ、グラハム・ベル)、事実と意見(クリティカル・シンキング)、質問は何のためにするのか(多様性理解)、村竹ラシッド選手の発言をランゲージ・アーツ的に分析(ランゲージ・アーツ、他者理解)、ウィリアム・バロウズの名言の翻訳をランゲージ・アーツで考える(ランゲージ・アーツ、言葉への意識)

 


 

LAMJ-A 

自分たちで問いを立ててみて気づけたこと:テキストとしている朝日中高生新聞に「そもそも国籍とは何だろう」という問う記事があったことから、これをテーマに議論をしてもらいました。「そもそも国籍とは何だろう」のような遠大なテーマに取り組むためには、小さな問いを立てて一歩一歩議論を進めていく必要があります。LAMJでの議論はこれまで、講師が「小さな問い」を与えて生徒たちがそれについて話し合うという流れで行ってきましたが、今月は初めて自分たちで問いを立ててもらいました。色々おもしろい問いが出たところで実際議論してみると「あること」に皆が気づき始めそれは「どんな議論も、まずは言葉の定義から始めなければいけない」ということ。これを教科書などで「教わる」ことと、経験を通して自分たちで「見つける」ことには大いなる違いがあります。

 

小池真理子の「登場人物から見た世界を描き切る」技術を分析・応用:サブテキストにしている小説集から、今月は小池真理子さんの『テンと月』を読み、彼女が得意とする「登場人物にはどう見えて・聞こえていたのか」を描写する技術を分析、ディスカッションしました。皆すっかりランゲージ・アーツに慣れ、目のつけどころも分析の勘所も冴え渡っています。最後は、分析して見えた技術を自分たちの文脈に応用して作文しました。

 

今月扱ったテーマ:効果的な見出し・写真とは(伝える技術)、オススメの防災グッズの記事と見出しを書く(読者の立場に立って作文する)、国籍とは何か(哲学思考のための問いを自分で立ててディスカッションする)、小池真理子『テンと月』の語彙・構成・テクニック分析(ランゲージ・アーツ)、小池真理子『テンと月』のテクニックを応用する(ランゲージ・アーツ)


LP-2

 今月からあらたに「LAMJ-Prep2 コミュニケーション能力プログラム」がスタート。LAMJ-Prep1で「考える」「伝える」の基礎を楽しく実践してきた生徒たちは中級レベルに進み、夏休みのブランクもなんのその、見事な「考える人」「伝える人」ぶりを披露してくれています。今月は「あるもの」をじっくり観察してその正体を推理したり、議論のメソッド「6 thinking hats」のトレーニングを始めました。皆、考えて伝えることが本当に楽しそうです。


2025年9月5日金曜日

LAMJコース8月の学習内容(2025年)

 8月期は通常クラスはお休みし、特別講座「社会のモヤモヤ解決キャンペーン 〜議論&発信のクリエイター体験〜」(対面)、「未来へ繋げる、それぞれのコロナ禍 〜100年後に託すメッセージ〜」(オンライン)を行いました。

対面講座ではさまざまなクリエイティブ思考にチャレンジ、モヤモヤを解決するためのキャンペーンCM(劇)を作成。オンライン講座では1人ひとりコロナ禍と向き合い、クリティカル・シンキングを駆使して100年後の人々へのビデオメッセージを作成しました。どちらの講座もたくさん考え、話し合い、普段は言葉にしないような思いも言葉にして吐き出し、他者の立場に立って見事に伝えたいことを積み上げてくれたと思います。みんな本当にがんばりました。お疲れさまでした。今年も感動をありがとう。
LAMJは9月からは通常クラスに戻ります。

2025年8月5日火曜日

LAMJコース7月の学習内容(2025年)

 

LAMJ-B

サラトイ力をつける:クラスメートの意見を聴いて自分にしかできない質問をするのはLAMJ生にとってもはや当たり前。でも質問は「一度したらそれでおしまい」ではないはずです。相手が渡してくれた答えを聴いているうちに知的好奇心がさらに湧いて尋ねたいことがさらに出てくることはままあります。そんな時にさらに問う力をLAMJでは「サラトイ(さら問い)力」と呼び、今月からトレーニングを始めました。サラトイ力はアクティブ・リスニング、考える力、伝える力はもちろん、議論力の大事なベースです。今のクラスでもっと議論を楽しめるように、素地をひたむきに磨いています。

 参院選を機に「政治」について考える:小中学生は選挙権がないから政治のことは知らなくてもいい?そんなことはもちろんありません。学校、通学路、毎日お世話になっている文房具、大好きな本、スポーツ、ゲーム全ては政治につながっています。遊ぶことは大好きで勉強は大キライな小学1年生を相手に「政治」を説明するとしたら? というところから始めて、「政治は自分に関係あると思う」「政治は自分に関係ないと思う」の両方の主張について理由をじっくり考えてもらいました。

 今月扱ったテーマ:偉人の言葉についてクリエイティブに考える(ガリレオ・ガリレイ、紫式部、織田信長、レオナルド・ダビンチ)、会ったこともない人の死を悼むことはできるのか(定義力、哲学思考)、スマホの作りを言葉だけで説明(描写力、聴衆を意識して伝える)、政治は自分に関係ある?ない(クリティカル・シンキング)、交通安全標語をランゲージ・アーツ的に分析する(ランゲージ・アーツ)

  

LAMJ-A

 あなたの理想のノートは?描写のココロに気をつけて:テキストとしている朝日中高生新聞に「ノート」に関する記事があったことから、各自、理想のノートを描写してもらいました。描写は、構成と言葉選びと具体性がキモですが、毎週「言葉」「思考」「伝える」のトレーニングを重ねているLAMJの生徒たちはやはり描写がめちゃくちゃ上手いです。「客観」に終始しがちな描写においても、個性をしっかり表現できるようになりました。以下、そんな彼らの「理想のノート」を一部ご紹介。「紙がほおずりしたいくらいツルツルで、開いた時に平になるので、ページを跨いで書き込んでもストレスを感じない」「油性ボールペンが裏写りしない新聞紙2枚くらいの厚み」「最初はノートの角が鋭利でカクっとしていたのに3日もすれば折れ曲がっていてイライラする」

 シャンプーの広告&コピーを徹底分析:「家族と愛」をテーマとしたシャンプーの広告シリーズから好きなものを選び、ランゲージ・アーツ的に徹底分析、最終的には自分たちでコピーを作ってもらいました。同じような意味範疇でも言葉の選択が変われば効果はゴロッと変わること、誰に見て・読んでほしいのか、どう感じてほしいのか、を探れば作者の創作過程を追体験できて、自分の表現に応用できること。そんなランゲージ・アーツの醍醐味の部分を生徒たちはしっかり理解・実践できるようになってきました。LAMJ生の1人がかつて言ってくれた「ランゲージ・アーツとは、自分の言葉を創っていく教育」を絶賛実践中です。

 今月扱ったテーマ:「無知」「知るべきこと」「知らなくていいこと」について考える(哲学思考)、理想のノートを描写する(描写力、発想力)、日本語の修辞法(ランゲージ・アーツ)ONE OK ROCKの英語の歌詞をクールな日本語の歌詞に書き換える(ランゲージ・アーツ)、学校に足りない「学びの環境」とは何か(クリエイティブ・シンキング)、シャンプーの広告分析・コピー制作(ランゲージ・アーツ)

2025年7月5日土曜日

LAMJコース6月の学習内容(2025年)

LAMJ-Prep 1 


今年2月にスタートした「LAMJ-Prep1 コミュニケーション能力プログラム」の皆(小2-4) が堂々修了!「考える」「伝える」をこんなに愛してくれるんだと感動し続けた10回でした。最終回のプレゼンテーションのテーマは「ぼく・わたしが探してきた『事実』と『意見』」と「情報を事実と意見に分けることはなぜ大事か、自分の考えを述べる」。これまで学んだことの集大成、「伝えたい」という気持ちが痛いほど伝わってくるプレゼン、見事でした。「事実と意見を分けることはなぜ大事か」への答えが格別に素晴らしかったので以下紹介させてください。事実と意見の違いがわかれば、「自分の頭で考えられる」「話し合いができる」「これからも、将来の仕事にも活かせる」「誰かから噂を聞いても、自分の目でたしかめればいいとわかる」「お互い自分の意見をはっきり言ってもケンカにならない...それってこのクラスみたいだと思いました」。世界中の大人に届けたい言葉たちです。
*LAMJ-Prepは「1(初級)」修了後は「2(中級)」クラスへと進みます。


LAMJ-B


プレゼンテーションの「つかみ」:先月より「伝える」ことを1つひとつ丁寧にトレーニングしています。相手が言ったことを必ず確認してから自分にしかできない質問するのもそのひとつですが、今月特に力を入れたのは「あなたのプレゼンの語り出し、本当にそれでいいの?」です。プレゼンは相手がいてくれるからできること。だから相手の立場に立って「何を最初に言われたら「この話をもっと聴きたい」と思うだろう、と必死に考える。そんなことを色々なテーマで考えてもらいました。相手を意識して言葉を使うという感覚が磨かれています。皆の「伝える力」はさらにもっと伸びますよ!

 

気になった記事について、いざプレゼン: テキストとしている朝日中高生新聞から毎号、「記事を1つ選んでそのことについてプレゼンするとしたら」とシミュレーションしてきた生徒たち。今月はその大団円として本当にプレゼンしてもらいました。オンライン・プレゼンだからこそ注意すべきことは何か、できることは何か。1人ひとりの個性がしっかり感じられる、とても良いプレゼンでした。プレゼンはこれからもどんどんやっていこうと思います。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉についてクリエイティブに考える(荒俣宏、チャップリン)、新聞記事を1つ選んでプレゼンするとしたら(目的と聴衆を意識し、それを言語化する)、自分にしかできない質問をする(質問力)、三上智恵さんによる沖縄戦にまつわる文章を読み、意見を持つ+質問し合う(過去を知る、自分事として考える)、自分の視点に自信を持つ(クリティカル・シンキング)




LAMJ-A


沖縄戦について考える1ヶ月LAMJ-Aのクラスには沖縄在住の生徒がいます。その生徒が沖縄戦の話をプレゼンテーションしたいと言ってくれたことから、戦後80年、沖縄慰霊の日を迎える今月、LAMJでは沖縄戦についてさまざまなことを考え、調べ、感じ、伝え合いました。まずは夏目漱石の「個人」の定義に端を発して「第二次世界大戦中、日本に住んでいた人たちは『自分』をどう定義しただろうか」と話し合い、翌週は沖縄の環境問題を自分事として捉え、またその次の週はジャーナリスト・三上智恵さんの沖縄戦に関する文章をランゲージ・アーツの手法で分析し、沖縄出身の映画監督・奥間勝也の問いから「悼む」とは何かをディスカッション。その上で沖縄在住の生徒が沖縄戦についてプレゼンテーションし、皆でたくさんのことを話し合いました。講師も含め、互いが伝え合い、考え、学び合える素晴らしい1ヶ月になったと思います。みんなのおかげです、本当にありがとう。

 

生徒が語る、「見えない沖縄戦」沖縄在住の生徒のプレゼンテーションのタイトルは「見えない沖縄戦」。平和教育が盛んな沖縄本島でも滅多に語られない、主に八重山地方で起きたマラリア被害の話でした。生徒が教えてくれたのは、19456月に沖縄の人々は八重山地方へ疎開が命じられたこと、疎開先でマラリアが大流行し、いちばん被害の大きかった波照間島では島民1590人のうち1587人が感染、うち550人が死亡したこと、しかしその方たちのお名前は、沖縄戦で亡くなられた方たちの氏名が刻まれている「平和の礎」(沖縄県糸満市)にはないこと。沖縄戦についてメディアや学校で語られるのは「戦い」に直接関係する話で、沖縄をめぐる情報・イメージが偏ったものであること、偏っていることに気づけていないことを痛感しました。生徒は「内地の人には、沖縄本島の人ですら知らないことをもっと知って、理解してほしい。そして気にかけてくれればいい」とプレゼンテーション後に話していました。話してくれて本当にありがとう。私たちはどうすれば「理解」できるのか、「知る」とは何か。LAMJの今後の課題となりました。

 

今月扱ったテーマ:夏目漱石の「個人」の定義に賛成?反対?(クリティカル・シンキング)、原始時代と第二次世界大戦中の「自分」の意味を考える(定義力)、沖縄の環境問題を自分事として考える(クリエイティブ思考)、ジャーナリスト・三上智恵さんの石破総理への手紙を読む(ランゲージ・アーツ)、「悼む」を哲学の枠組みで議論する(議論力、言葉を定義する力)、沖縄戦について考える

2025年5月24日土曜日

LAMJコース5月の学習内容(2025年)

LAMJ-Prep


意見を言うこと、理由を意識すること、発表することにみんなどんどん慣れていく!と感動した1ヶ月でした。「このお菓子はどれだけの旅をして自分の家にやってきたのか」について皆で考えたり、「これからの時期、もしも台風が来たらこのクラス(対面実施)はどうする?」とリアルに話し合いもしました。意見に正解も不正解もないことを肌で感じてくれている様子が頼もしい!事実を確認してから意見を言うことの大切さをじわじわと感じ取っていってほしいです。


LAMJ-B

自分にしかできない質問をする:先月から始めた「アクティブ・リスニング+質問」のセッションにもあっという間に慣れた生徒たち。相手の発言を認めながら質問する姿は本当にかっこいいです。じゃあもっとハードルを上げよう、ということで「自分にしかできない質問をする」ことを始めました。質問は、先生にしなさいと言われたからするものじゃない。質問は意見と同じで、自分だから考えられること、聞きたいと思うことを必死に探すんだよ、なぜその質問をしたいのか理由も考えてね、と話したところ質問セッションが明らかに上の次元へと上がりました。皆のおもしろい質問を一部ご紹介しますね。「あなたが倭寇だったら何を盗みたいですか(なぜこの質問をしたいかというと、私が海賊だったら色んなものを盗みたいと思うので)」「自分の学校の良いところを言える限り教えてもらえますか(なぜこの質問をしたいかというと、自分の学校についても考えてみたくなったし、相手の学校がどれくらい良いところなのか知りたかったから)」。ブラボー!

 

プレゼンテーションの基本を徹底的にモノにする:プレゼンの基本、それは「何を伝えたいか」「相手は誰か」「相手にどうなってほしいか」を言語化すること。クラスではまず、なぜ「基本」なのかを考えてもらった上で、この基本が皆の「当たり前」となるよう、実践方式でトレーニングを重ねています。来月は、この基本を踏まえた上で、どうコンテンツを磨くか、にフォーカスを当てて実際にプレゼンをしてもらう予定です。テーマはもちろん、各自じっくり選んで決めてもらいます。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(川端康成、ニール・アームストロング、大久保利通、手塚治虫)、マグリットの絵のタイトルの法則を見抜き、実際にタイトルをつけてみる(構造を見抜く力、クリエイティブ思考)、プレゼンの基礎のカラクリを理解する(プレゼン力)、新聞記事を1つ選んでプレゼンするとしたら(目的と聴衆を意識・言語化する)、自分にしかできない質問をする(質問力)


LAMJ-A

報道写真家・石川文洋さんのベトナム戦争の写真は事実か、意見か:テキストとしている朝日中高生新聞にベトナム戦争の特集があり、報道写真家・石川文洋さんのインタビュー記事が載っていました。クラスでは石川さんのベトナム戦争の写真を数枚取り上げ、この写真を「事実」と言えるとしたら証拠は何か、「意見」と言えるとしたらそれはなぜか、をディスカッション。さらに、この議論は世界の出来事にどうつながるのかを考えてもらいました。弁証法的思考をトレーニングしつつ、観察眼を磨いています。
 
「投票に行かない人は選挙権を譲るべきか」を哲学のフレームワークで話し合うLAMJ-Aではほぼ毎回、朝日中高生新聞の記事を起点として議論を行うのですが、今月は新しい試みとして哲学のフレームワークに則って議論するということをやりました。哲学では「言葉の定義」は非常に大事ですが、皆の「投票に行かない人」「選挙権」「譲る」の定義をめぐる議論の素晴らしさといったら!言葉の定義や背景だけでなく、「こう定義するとこんなことが想定できるけど、それでいいのかな」というところまで議論は及び、「議題は『譲るべき』ではなく『譲ってもいい』とした方がいいのでは」「日本を変えるということはとても大変なものなんだなと思った」などの感想も聞くことができました。二週にわたって話し合ってとりあえずの答えを出したところで、議論をさらにレベル上げするために「新たに問いを立てる」ことも行った生徒たち。もはや議論の達人です。

 

今月扱ったテーマ:報道写真家・石川文洋さんのベトナム戦争の写真は事実か、意見か(クリティカル・シンキング、歴史・世界・報道写真について考える)、「投票に行かない人は選挙権を譲るべきか」を哲学のフレームワークで話し合う(議論力、言葉を定義する力、論理力)、クラスメートの意見に対して「悪魔の代弁者」を演じる(思考力、伝える力)、自分の意見に反論+気づきを得る(クリティカル・シンキング)、山内マリコ『ああ幻の東京五輪 世田谷区』の一節を自分流に書き換える(ランゲージ・アーツ)、自分の住む自治体に「キャラ」を与えて宣伝文を作る(ランゲージ・アーツ、プレゼンテーション)

2025年5月3日土曜日

LAMJコース4月の学習内容(2025年)

LAMJ-Prep

考えること、伝えることをとことん楽しんで力をつける「LAMJ- Prepコミュニケーション能力プログラム」も早いもので6回が過ぎました。今月は、Show & Tell (見せてお話し) のプレゼンテーションや、目の前にある文章を「事実」と「意見」に分けることをやりました。プレゼンテーションは伝えることの基本を学べる大事な機会、そして事実と意見の線引きは考える力の基本。クラスメートの意見をちゃんと聴くことを通してアクティブ・リスニングも鍛えています。みんないつも一生懸命!楽しい1ヶ月でした。


LAMJ-B

事実と意見、マグリットの絵LAMJコースではおなじみの「情報を事実と意見に分ける」、今年度はさらにパワーアップしました。生徒たちが宿題の答えとして書いてきたものを「これは事実?意見?」と考えたり、ルネ・マグリットによる、いかにもシュルレアリスムなおもしろい絵をじーっと見て、自分の頭に浮かんだことを事実と意見に分けることもやりました。事実と意見に分けるのは「考える」の基本です。これからも色々なやり方で力をつけていきます。

 

アクティブ・リスニング+質問力を磨く:昨年度からぐっと人数が増えたLAMJ-Bのクラス。1人ひとりがより多く発言できるように、他者の意見を尊重して議論する力をつけられるように「アクティブ・リスニング+質問」のルーティーンを始めました。1人の生徒の意見を皆でしっかり聴いてしっかり考え、皆で質問する。それぞれ質問には個性が溢れていて楽しいです。「相手のことを理解したい、だから責任をもって考えるし心を込めて質問する」という態度を毎回磨くことでコミュニケーション力を育んでいきます。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(坂口安吾、藤田哲也、ヘミングウェイ、リンカーン)、事実と意見(クリティカル・シンキング、メディア・リテラシー)、世界一短い小説の詳細を考える(クリエイティブ思考、論理力)、リンカーンの妻・メアリーのセリフを考える(情報をつなげる力、一貫性、クリエイティブ思考)、今年・今月の目標を根拠とともに立て、振り返る(計画思考、メタ認知)


LAMJ-A

内集団と外集団、ステレオタイプ:テキストとしている朝日中高生新聞に載っていたまど・みちおさんの「うつくしい ことば」という詩の解読に端を発し、内集団と外集団(仲間内の人間は個性豊かだけれど、自分の仲間外の人は似たり寄ったり、と思うこと)、そしてステレオタイプについてディスカッションしました。その上で、具体的な「ステレオタイプ撃退法」を考えてもらったところ、実に美しい意見たちが出たので一部ご紹介。「その人が棒人間だと考える」「みんなを料理だと思ってみる。そうすれば、料理にはおいしいものもまずいものもあるから『この人はこうだ』みたいに考えることも減ると思った」「どうしたのだろう?とシンプルに考える」など。「あの人はなぜああいう考えを持つのか」という健全な好奇心でを持ち続けてくださいね。

 

主体的に調べた情報を徹底して「事実」と「意見」に分ける:これまで生徒たちは主に、講師が用意したクイズや新聞記事など、「受動的に」渡された情報を事実か意見か見分ける、ということをやってきました。LAMJ-Aの今年の目標の一つは「考えて伝えるために1人ひとりが主体的に動く」。気になるニュースにつき各自が調べてきた情報を1つひとつ「事実」「意見」のふるいにかけました。どんな情報を前にしても「これって事実?意見?」と反射的に考えられる回路を育てます。

 

今月扱ったテーマ:内集団・外集団、ステレオタイプ (思考の穴に気づく)、気になった事件について調べたことを事実・意見に分ける(クリティカル・シンキング、メディア・リテラシー)、自分の意見に反論する(思考力、つなげる力)、小川糸『バーバのかき氷』の「醸す」と「腐る」に見る、似て非なるものの力(LA)、数学と考えることの共通点(学習意欲、構造を見抜く力)、「短所」を長所にひっくり返してプレゼン(思考力、メタ認知力、プレゼン力)、今年・今月の目標を根拠とともに立て、振り返る(計画思考、メタ認知)

2025年3月29日土曜日

LAMJコース3月の学習内容(2025年)

 LAMJ-B


新年度に向けて、自分の気持ちと向き合う(気持ちのコンパス): ワクワクすること、心配なこと、知っておきたいこと、やっておくべきこと—この4つを方位磁石(コンパス)に見立て、新年度を迎える自分とじっくり向き合って考えてもらいました。心配するのは恥ずかしいことなんかじゃない、どうすれば心配が少なくなるか、考えれば道は拓ける。知りたいことはどうすれば知ることができる?今すぐできることは何? 全て、リアル問題解決です。今後みんなが何度も経験するであろう「新しい環境」は、しっかり考えて行動すれば道は必ず拓けるという感覚を手に入れてくれたかなと思います。
ご入学、ご進級、おめでとうございます!

 

東京大空襲、3.14、別学共学の「数字」の背後にあるもの:被害者の数、学校の数、賛成している人の数。このような数字はパーセントで表現されることも多いです。そして、データが溢れる現代、このような数字の背後にどれだけの人の人生があるのか、ふと忘れてしまうことがあります。だからこそ今月のLAMJでは東京大空襲、3.14、別学共学をテーマに、「数」の背後にある「人生」を一生懸命想像するということをやりました。3.14で亡くなった小学生が好きだった飲み物は?通っている高校が別学から共学に変わったらどんな気持ちになる? 他者のことを完全に理解することは不可能です。だから必死に想像する。その態度を持ち続けてほしいと思います。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(黒澤明、ロダン、葛飾北斎、マゼラン)、物価高でもアルバイト代を減らさない方法(クリエイティビティ、未来思考)、太平洋戦争の数字から考える(小学生のための現象学入門)、別学vs共学 (数字の背後にある「人」の気持ちを具体的に想像する)、北斎漫画の顔は何を表現しているか(感情の言語化)、気持ちのコンパス(新年度に向けて、言葉をしっかり使って自分と向き合う)
…………

LAMJ-A


思考実験+devil’s advocate付き合っている人がいるのにChatGPTのことが本気で好きになってしまったら、それは「浮気」?というオリジナル思考実験にチャレンジしてもらいました。思考実験はLAMJ生の大好物。これまでは講師がdevil’s advocate(悪魔の代弁者議論を発展させるためにあえて反論・ツッコミをする役)をつとめてきましたが、今回は生徒自身がこの役をやりながら議論を深めました。悪魔の代弁者をやる時は「なるほど。おもしろいね。ところで」から始めることを徹底しよう、論破は絶対ダメだよ、と老婆心満載で忠告したのですがそんな心配は不要だったようです。互いの意見を尊重しながら楽しそうにディスカッションする様子を見て、生徒たちがLAMJで手に入れたいちばん大きな力は議論力だと確信しました。

 

振り返り強化:LAMJは試験対策ではない、学びのための学びだからこそ「学んだことをどう自分の中で落とし込むか」が格別に大事。毎回の振り返りを強化しています。「今日学んだことから連想することは」「今日できたいちばんのこと、いつもできる?」など、LAMJならではの多様で楽しい振り返りを実践しています。

 

今月扱ったテーマ:カレーライス物価からカレーハウス経営を考える(クリエイティビティ、未来思考)、自分の意見に反論する(思考力強化)、2005年の若者になりきってYouTube最初の投稿にコメントしたら(情報とクリエイティビティをつなげる)、思考実験「付き合っている人がいる状態でAIに恋することは浮気か」(思考を深める)、devil’s advocate 悪魔の代弁者(議論力を高める)、自分の気になる記事の「10年後の見出し」を書いてみる(論理的に想像する)、吉本ばなな『みどりのゆび』の描写の型を見抜く(LA)、吉本ばなな流に「大切な場所」を振り返って描写する(LA

LAMJコース9月の学習内容(2025年)

LAMJ-B   事実と意見 2.0 :思考力の基礎でもあり、情報化社会を生き抜くための必須スキルである「事実と意見の線引き」。 LAMJ-B では毎週必ず「〇〇について事実と意見を探す」ということをやっています。生徒たちの線引き力がどんどん上がってきたので、今月は「調査結果...