2025年3月29日土曜日

LAMJコース3月の学習内容(2025年)

 LAMJ-B


新年度に向けて、自分の気持ちと向き合う(気持ちのコンパス): ワクワクすること、心配なこと、知っておきたいこと、やっておくべきこと—この4つを方位磁石(コンパス)に見立て、新年度を迎える自分とじっくり向き合って考えてもらいました。心配するのは恥ずかしいことなんかじゃない、どうすれば心配が少なくなるか、考えれば道は拓ける。知りたいことはどうすれば知ることができる?今すぐできることは何? 全て、リアル問題解決です。今後みんなが何度も経験するであろう「新しい環境」は、しっかり考えて行動すれば道は必ず拓けるという感覚を手に入れてくれたかなと思います。
ご入学、ご進級、おめでとうございます!

 

東京大空襲、3.14、別学共学の「数字」の背後にあるもの:被害者の数、学校の数、賛成している人の数。このような数字はパーセントで表現されることも多いです。そして、データが溢れる現代、このような数字の背後にどれだけの人の人生があるのか、ふと忘れてしまうことがあります。だからこそ今月のLAMJでは東京大空襲、3.14、別学共学をテーマに、「数」の背後にある「人生」を一生懸命想像するということをやりました。3.14で亡くなった小学生が好きだった飲み物は?通っている高校が別学から共学に変わったらどんな気持ちになる? 他者のことを完全に理解することは不可能です。だから必死に想像する。その態度を持ち続けてほしいと思います。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(黒澤明、ロダン、葛飾北斎、マゼラン)、物価高でもアルバイト代を減らさない方法(クリエイティビティ、未来思考)、太平洋戦争の数字から考える(小学生のための現象学入門)、別学vs共学 (数字の背後にある「人」の気持ちを具体的に想像する)、北斎漫画の顔は何を表現しているか(感情の言語化)、気持ちのコンパス(新年度に向けて、言葉をしっかり使って自分と向き合う)
…………

LAMJ-A


思考実験+devil’s advocate付き合っている人がいるのにChatGPTのことが本気で好きになってしまったら、それは「浮気」?というオリジナル思考実験にチャレンジしてもらいました。思考実験はLAMJ生の大好物。これまでは講師がdevil’s advocate(悪魔の代弁者議論を発展させるためにあえて反論・ツッコミをする役)をつとめてきましたが、今回は生徒自身がこの役をやりながら議論を深めました。悪魔の代弁者をやる時は「なるほど。おもしろいね。ところで」から始めることを徹底しよう、論破は絶対ダメだよ、と老婆心満載で忠告したのですがそんな心配は不要だったようです。互いの意見を尊重しながら楽しそうにディスカッションする様子を見て、生徒たちがLAMJで手に入れたいちばん大きな力は議論力だと確信しました。

 

振り返り強化:LAMJは試験対策ではない、学びのための学びだからこそ「学んだことをどう自分の中で落とし込むか」が格別に大事。毎回の振り返りを強化しています。「今日学んだことから連想することは」「今日できたいちばんのこと、いつもできる?」など、LAMJならではの多様で楽しい振り返りを実践しています。

 

今月扱ったテーマ:カレーライス物価からカレーハウス経営を考える(クリエイティビティ、未来思考)、自分の意見に反論する(思考力強化)、2005年の若者になりきってYouTube最初の投稿にコメントしたら(情報とクリエイティビティをつなげる)、思考実験「付き合っている人がいる状態でAIに恋することは浮気か」(思考を深める)、devil’s advocate 悪魔の代弁者(議論力を高める)、自分の気になる記事の「10年後の見出し」を書いてみる(論理的に想像する)、吉本ばなな『みどりのゆび』の描写の型を見抜く(LA)、吉本ばなな流に「大切な場所」を振り返って描写する(LA

2025年3月3日月曜日

LAMJコース2月の学習内容(2025年)

LAMJ-B


「小1の自分へ」プロジェクト、堂々完成:この春小学校を卒業する生徒たちに「小1の自分へ」というプレゼンをやってもらいました。小1の自分ってどんなふうだった?当時の自分に何を伝えたい?プレゼンを聴いた小1の自分にどう感じてもらいたい? 昨夏の「プレゼンの達人」講座で学んだことをおさらいしつつ、1ヶ月かけて小学校生活を振り返ってコツコツ準備しました。そして迎えた本番。本当に、本当に、本当に感動的な内容でした。涙が出ました。「いい方向に行くから大丈夫」「今怒られてることも怒られなくなるから」「勉強はコツコツやろう」「悲しむより楽しんで」。プレゼンは自分の等身大の言葉を等身大の態度で心をこめて届けるもの。それをまさに実践してくれました。どんな先輩のどんなありがたい言葉よりも「小1の自分」にささったであろう言葉たち。特大の感動をありがとう。

 

振り返り強化:クラスの終わりに、その日学んだことを1つあげ、それを自分のどんな経験につなげられるか、答えてもらっています。つなげ方にも個性が出て毎回楽しいです。振り返りは学んだことを「生きた知識」にするだけでなく、論理力を磨くこともできます。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(パブロ・ピカソ、本田宗一郎、ベートーベン、ドストエフスキー)、キュビズムと遠近法(絵をじっくり観察して考える・つなげる)、受援力(メタ認知)、「面白い」と「おもしろい」の違い(ランゲージ・アーツ)、小1の自分にプレゼンする(プレゼンテーション・スキル、相手の立場に立って考える、目的から逆算して原稿を作る)、「私はUFOを見た」は事実か意見か(クリティカル・シンキング)



LAMJ-A


赤いぼうし問題の解き方をプレゼンする: 今月はプレゼン強化月間。数学者・野崎昭弘の傑作『赤いぼうし』の場合分け問題をどう解くか、解き方をどうプレゼンすればわからない人でも解けるようになるか—をグループで話し合い、プレゼンしてもらいました。自分とは違う立場の人の目線で考えるとはどういうことか。その人と自分の違いは何か。その違いはどこからどう埋めればいいのか。プレゼンは常に他者を相手にする作業。相手との「違い」はゼロになることはありません。だからこそヘトヘトに疲れるまで相手目線で考えて伝え方を模索する。相手目線へ近づこうとする皆の姿勢、素晴らしかったです。

 

とことん詩を読みこむ+撞着語法でイメージを作る:今月のランゲージ・アーツ(LA)で取り上げたのは猪狩翔一『Leo』の歌詞。意味がわかるようでわからない難物のこの作品をまずは散文に「翻訳」、その上で「丸い滑走路」という比喩の効果について考え、撞着語法 (矛盾するような言葉を組み合わせる、修辞法の一種)を学び、さらには撞着語を1つ選んでプレゼンするというところまでやりました。プレゼンは、まさに、百花繚乱。それぞれの個性が炸裂していました。「自分の好きな撞着語を軸にプレゼンする」という漠然としたテーマにもかかわらず、いえ、漠然としたテーマだったからこそ、自分ならではの世界を構築できたのかなと思います。皆のクリエイティブ思考力、自分の個性・視点を信じる力、伝える力にウットリします。

 

今月扱ったテーマ:新聞記事の文を「事実」と「意見」に分ける(クリティカル・シンキング、メディアリテラシー)、文系と理系(反論を通して思考を深める)、高校入試最前線(新しいタイプの入試を経験した生徒たちがプレゼンしてくれました!ありがとう!)、赤いぼうし問題(論理力、他者視点で考えてプレゼン)、新聞で得た情報を実生活に結びつける(学びの定着)、英語の弱強格vs日本語の高低音(英語を知ることで日本語の特性を知る)、猪狩翔一『Leo』を散文に翻訳(理解力・表現力)、撞着語法を軸にプレゼン(LA)、今井むつみ『学力喪失』の別解釈を考える(クリティカルに読む)

 

2025年2月1日土曜日

LAMJコース1月の学習内容(2025年)

 LAMJ-B


ボブ・ディランの声ってどんな声?:村上春樹はボブ・ディランの声を評して「まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声」といいました。じゃあ、あなたはどんな言葉を使ってどう表現する?という問いかけから始まった2025年のLAMJ-Bクラス。LAMJが大事にしているのは、誰でも(AIでも)弾き出せる言葉ではなく「自分だけの」言葉と伝え方を見つけること。生徒たちは初めて聴くボブ・ディランの声に必死に耳を澄まして、一生懸命言語化してくれました。他にも「梅干しの味を『酸っぱい』以外で表現する」「歯磨きの味を何かにたとえる」などのワークをやりました。今年も、一人ひとりの言葉の意識と思考を磨いてまいります。

 

1人の人生を通して阪神・淡路大震災について考える: 阪神・淡路大震災から30年。当時5歳で被災した鈴木佑一さんに関する記事を読み、まず、心に残った言葉を5つ挙げてもらいました。そこからさらに「いちばん心に残ったことば」を選び、鈴木さんの印象を言語化し、鈴木さんの音声を聴いて印象はどう変わったかをさらに言語化。その上で鈴木さんへの質問を考えました。文章を主体的に読むとはどういうことか、質問とは何か。このようなワークを通して、生徒たちには肌で覚えていってほしいと思います。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(ニュートン、フランシス・ベーコン、ライト兄弟、夏目漱石)、ありきたりの表現ではなく「自分の言葉」で描写する(語彙力、ランゲージ・アーツ)、記事を主体的に読む(主体的に考える力)、いちばん聞きたい質問を考える(質問力)、なぜ日本は80年戦争をしないで済んだのか、多角的に考える(思考力)、漱石のいう「日本より頭の中のほうが広い」とは(比喩力)、お菓子メーカーの味の描写について考える



LAMJ-A


今年1年を漢字1文字で表すとしたら: 年末におなじみの「今年1年を漢字1文字で表す」を年始にやってみました。生徒たちが考えたのは、大、未、翔、翠、峠、得、張、臨、輝、克なぜその漢字にしたのか、という「こころ」の部分がこれまたふるっていました。皆が伝え合う姿は大喜利のようでもあり、お正月らしさも味わえたかと。保護者の皆様、ぜひご本人から「こころ」を聞いて差し上げてください。

 

角田光代の小説中小説のあらすじを考える:今月LAで扱ったのは、角田光代著『旅する本』。この作品に登場する架空の小説はいろいろなヒントこそ散りばめられているものの、どんなお話なのか読者にはわからない仕組みになっています。そこで皆でこの「架空小説」のお話を創作してもらいました。ヒントとして書かれていることを統合し、そこから帰納的に考えて創り出すという非常にクリエイティブな作業。この日の振り返りでは「難しかった」という声が多く、クリエイティブ思考の必要性を感じました。

 

今月扱ったテーマ:今年1年を漢字1文字で表す、夫婦別姓の議論の暗黙の前提を探る(クリティカル・シンキングのトレーニング)、トランスジェンダーを「地図」以外の何かに例える(トランスジェンダーを自分事として捉える、クリエイティブ思考)、角田光代『旅する本』に登場する架空小説の内容を創作する(読解力、クリエイティブ思考)、『旅する本』にちなんで古本屋に足を運んでその匂いを言葉にする(LA)、角田光代の技術を分析して自分たちの「匂い」の描写文に応用する(LA

2024年12月27日金曜日

LAMJコース12月の学習内容

LAMJ-B

いちばん守りたい伝統工芸は?:テキストとしている朝日中高生新聞に伝統工芸の記事が載っていたことから考えてもらったのが「あなたがいちばん守りたい伝統工芸は?」。生徒が選んできたのは群馬高崎だるま、越中福岡の菅笠。それを選んだ理由は何?なぜその理由になるの?外国の人に魅力を伝えるとしたらどんな動画を作る?特にどの国の人に見てほしい?など、いろいろな観点からディスカッションしました。理由をなるべくたくさん考える、理由の理由を考える、相手を意識して発信を準備する—どれも、今年度のLAMJ-Bで力を入れてきたことです。講師に何を訊かれても自分ならではの意見を堂々と発信できるようになりました。考える力を磨くことで自分の視点に自信を持てる。本当に、本当にすごいことです。

 

谷川俊太郎さんと「言葉」について考える: 先月亡くなられた詩人・谷川俊太郎さんの「言葉の意味は辞書を引けばわかる。でも、喧嘩したり、人を好きになったりした時に出てくる言葉はきっと、辞書では定義できない」(朝日中高生新聞より)についてディスカッションしました。すごく好きと思った時や怒った時に出てくる言葉にあなたはどんな意味・気持ちをこめていたのかな一人ひとり具体的に考え、説明してもらいました。そしてたどり着いた答えは「自分が喧嘩した時に使った言葉の意味は、辞書に全て書いてあるわけじゃない」。言葉の意味は文脈が決めるという大事なことを、理屈ではなく、生徒たちが自分事として自分の力で解き明かした瞬間。感動しました。

 

今月扱ったテーマ:偉人の言葉の背景・根拠を考える(マリー・キュリー、野口英世、ディオゲネス、ナイチンゲール)、外国人に日本の伝統工芸の魅力を動画で伝えるとしたら(相手を意識して「伝える」を意識する)、谷川俊太郎の「言葉」について考える(言葉とは何か、言葉の力と限界を考える)、クマは「有害」なのか(クマの気持ちになって昨今のクマ捕獲のニュースを考える)、森のクマさんの日記(クリエイティブ思考)



LAMJ-A


翻訳とは(谷川俊太郎さんを悼む): 今月は、先ごろ亡くなられた詩人・谷川俊太郎さんの詩をご本人の朗読で聴き、彼の言葉に対する態度に触れるところから始めました。翻訳も多く手がけた谷川さん。漫画『ピーナッツ』の原文と谷川訳を比較して「なぜ谷川さんは最終的にこの言葉・表現を選んだのか」をディスカッションし、「翻訳とは何か」を考えてもらいました。生徒たちの答えを一部抜粋します。「翻訳とは、自己表現」「訳した人によって訳し方が変わるので、その人の言葉の使い方とかちょっと極端に言うと、その人自体が現れるもの」「自分の言葉と原作者の直訳の2パターンで読者に自分の意見を持たせること」「正しく訳せるが、人の感情がこもりにくいもの」。生徒たちの言葉への意識の高まりは本当にすごいです。言葉を自分の味方にすること。世界のエリートたちが必死に模索していることです。

 

江國香織『南ヶ原団地A号棟』とAI小説を比較、AIの文章を「もっと江國風」に書き換える:今月後半のLA (Language Arts)では、a. 江國香織作『南ヶ原団地A号棟』と、b. ChatGPT (AI) が書いた「『南ヶ原団地A号棟』風小説」を比較しました。『南ヶ原団地A号棟』は3人の小学4年生が書いた作文という体裁になっているのですが、生徒たちには片方がA I小説だとは言わずにab両方を読んでもらい、どちらが好きか、同じ点と違う点は何か、ディスカッションしてもらいました。そして江國香織の構成・技術を分析、その分析内容に沿ってAIによる小説を「もっと江國香織風」に書き換え、「AIの小説と人間の小説の違いとは何か」を考えてもらいました。AI小説の方が「内容が頭にスッと入ってくる」という意見もあり、純然たる「情報伝達」であればAIの方がいいのかという問題も浮上。AIとどう共存するかは今世紀の最難題です。これからもLAMJだからこそできるディスカッションを通してAI問題に向き合い、新しい時代の生きる力としてもらうべく指導してまいります。

 

今月扱ったテーマ:闇バイトについて小6にスピーチをしたら(「話す」と「書く」の違いを意識する)、谷川俊太郎さんの『ピーナッツ』の漫画の翻訳に見る、翻訳とは何か(直訳と意訳の違い・翻訳とは何が大事か考える)、日本の伝統工芸(特に残したいものは何か、その魅力を誰に伝えたいか、どう伝えればいいか)、女人禁制から「男女平等」を考える(ジェンダー問題)、アンコンシャスバイアスは「良いものだ」と主張するとしたら(自分の意見に反論する)、AI小説とプロの作家による小説を比較・分析 (AIと言葉について考える)、プロの作家の技術に即してAI小説を書き換える (Language Arts)

2024年11月29日金曜日

LAMJコース11月の学習内容

LAMJ-B

 

偉人たちの名言の「根拠」: テキストとしている朝日中高生新聞に「10代に贈る 偉人の言葉」という連載コラムがあります。世に言う名言は、結論部分だけがひとり歩きして背景や根拠はごそっと抜け落ちていることも多いもの。そこで「この偉人の名言の『根拠』は何?」と偉人の気持ちになって根拠・背景を考えるというルーティーンを始めました。多様な視点を持つ力、論理力、想像力を鍛えます(偉人たちについて学べるという強烈なオマケ付き!)。今月はダリ、坂本龍馬、ゲーテになりきって考えました。

 

地動説・天動説再び:地動説が生まれた時代を描く『チ。』(作・魚豊)というマンガが朝日中高生新聞で紹介されていたことから、9月に学んだ天動説・地動説を別の切り口で考えました。「何事も相対的である」と言うのは簡単ですが、それを自分事として捉えるのは大人でも難しいです。生徒たちには、誰かの身長が「高い」などということが相対的な概念であることをわかってもらった上で、「『Aだ』と信じていたけどあるとき『いや、Aじゃないかも…』と思ったことってない?」と考えてもらいました。何をきっかけにものの見方は変わるのか。これからも考えていきたいです。

 

今月扱ったテーマ:事実をもとにお話を作る(クリエイティブ思考)、聴衆の特性を意識して1分スピーチ(プレゼンのスキル)、偉人の名言の根拠を考える(多様な視点、論理力、想像力)、緊張するのはどんな時?緊張は悪いこと?(メタ認知)、回転寿司を千円で応援するとしたら(未来思考、クリエイティブ思考)、天動説vs地動説から考える「見え方の変わる時」(比較する力、メタ認知)



 LAMJ-A

 

「あり得ない仕事」を「スバラシイ仕事」に:テキストとしている朝日中高生新聞で大学入試の特集が組まれていたことから、今月はまず「今どきの入試」について高3LAMJ生に話をしてもらいました(どうもありがとう!)。話は転じ世の中がこれだけのスピードで変わっているのに、入試も仕事のあり方も今まで通りでいいの?という問いを講師が投げかけました。生徒たちには「あり得ない仕事」を挙げてもらい、そのあり得ない仕事をどうすれば「スバラシイ仕事」に変えることができるか考えてもらいました。「世界中のおいしいものをいくらでも食べられる」というあり得ない仕事も、生徒たちの手にかかるとスバラシイ仕事に早変わり。「世界中の美味しいもののを食べたら全てレビューしなければならない。『特殊な食べ物』に各地の伝統食品を組み込めば、各地の食べ物の伝統が守るという仕事にできる」。あり得ない仕事を思いつくのも早かったですが、それをスバラシイ仕事に変えるのに費やした時間は10分足らず。「考える筋」がすばらしく鍛えられています。

 

暗黙の前提:LAMJでつく力の1つに「じっくり考える力」があります。ひとつのことを一方向で考えていても「じっくり考えた」とはいえません。じっくり考えるとは、さまざまな考え方を適宜組み合わせて深掘りをしていくこと。暗黙の前提はそんな「考え方」のひとつでもあり、かなりの論理力が問われるナンブツなのですが、生徒たちほどの思考力があればもうできるはず—と満を持して今月から指導を始めました。暗黙の前提を考えられれば、相手のことも、自分のことも、もっと理解できるようになります。

 

今月扱ったテーマ:高校3年生に大学入試のリアルを聞く、「あり得ない仕事」を「スバラシイ仕事」に(クリエイティブ思考)、暗黙の前提(考えの奥底には何があるのか、思考を深める)、音声学を使って椎名林檎の歌詞を分析(阻害音・共鳴音のもたらす効果、ランゲージ・アーツ)

 

2024年11月2日土曜日

LAMJコース10月の学習内容

LAMJ-B


ベルリンの壁を推理する:目の前にある、ゴツゴツした石の正体は? 正解は「ベルリンの壁の一部」。この正解に行き着くまで、生徒たちは1時間半をかけて観察し、考え、想像し、情報の点と点をつないでまた考えを繰り返しました。ベルリンの壁がまだ立ちはだかっていた頃にドイツに住んでいた講師が当時の経験を話しましたが、現代の日本に住む小学生にとってベルリンの壁はとうてい想像の及ばないことかもしれません。でも、想像がつかないからこそ必死に考える。多様性理解の根本です。

 

こども哲学「そうだね、じゃあ悪いことの中に良いことを見つける:テキストにしている朝日中高生新聞の記事にインスピレーションを得て、「こども哲学シリーズ」(朝日出版社)をクラスでやってみました。哲学のポイントは、何か答えが出たら「そうだね、じゃあ(でも)…」と異論を考えること。また、多角的思考を育てる一環として、「悪いこと」の中に「良いこと」を見つけて言語化するというトレーニングも始めました。先月から鍛えている「なんでのなんで」も「それでのそれで」も「そうだね、じゃあ」も「悪いことの中に良いことを見つける」も、全て、じっくり考えるためのポイントです。じっくり考えるというのは大人にとっても難しい作業ですが、どんなポイントをどんな時に考えればいいのかを知っていれば、考えることが得意に、好きになります。最近、生徒たちは考えることが明らかに好きになっている様子。シェアしてくれる意見は深くてユニークで面白くて最高!

 

今月扱ったテーマ:ベルリンの壁(壁の断片を観察・推理する、考えをつなげる)、早く大人になりたい?(哲学思考)、日本の投票用紙のナゾ(多角的思考、想像力を磨く)、楽しみにしていたお出かけができなくなった、苦手なテスト、友達と大ゲンカ悪いことの中に「良いこと」を見つける(多角的思考、自信を身につける)



LAMJ-A


ODAプランを石破さんにプレゼン:テキストとしている朝日中高生新聞にODAの記事があり、また次の号には石破新総理の紹介記事が載っていたことから「自分たちが望むODAプランを考えて石破さんにプレゼンする」という想定で話し合いをしました。プレゼンの準備でまずやらなければならないのは「内容を1文でまとめる」「聴衆のプロフィールを把握する」「目的は何か、見定める」。この3つをしっかり言語化するのは非常に難しく、大学生や社会人でも言葉がうまくまとめられなかったりするのですが、LAMJ生、大いに悩んでがんばって言語化に成功しました。今後のプレゼンに活かしていってほしいです。

 

セリフとナレーションの黄金比、頭韻という技巧3ヶ月にわたって向き合ってきた、中島京子『妻が椎茸だったころ』読了。今月は、セリフとナレーション(地の文)をどのように配置すれば生き生きとした文章になるのか、法則を見抜いて自分たちの文章に応用してみました。プロがさらりとやってみせる文章の技・スキルは、法則こそわかっても実践はめちゃくちゃ難しい—と気づいてくれたようです。LAMJでは表現の「音」を大事にするよう指導していますが、英語ではとかく重視される「頭韻」が『妻が椎茸だったころ』に使われていることを発見、こちらも実践してもらいました。頭韻は文章上の大事な技巧。プレゼンの原稿、作文、小論文に大いに活用してもらいたいです。

 

今月扱ったテーマ:ODA (援助したい国の調べ学習、未来思考)ODAプランを総理にプレゼンするとしたら(夏に学んだ「MAP」復習、わかりやすく、聴衆を意識して伝える)、中島京子『妻が椎茸だったころ』に学ぶ、セリフと地の文の効果的な書き方と頭韻(ランゲージ・アーツ実践)。


2024年9月29日日曜日

LAMJコース9月の学習内容

 LAMJ-Basic

 

「なんで」の「なんで」:考える力の基本中の基本は「なんで」です。たとえば、本を読んでAという感想を持つ。なんでそう思ったか、理由Bを言葉にする。じゃあ、なんでBという理由を持ったの?背景は?きっかけは?その思いはどんなどこから来ているの?—この一連の思考をLAMJ-Bでは「『なんで』の『なんで』(理由の理由)」と呼んでトレーニングしています。「『なんで』の『なんで』」はなんで素晴らしいかというと、その人のことがもっとわかるからです。「『なんで』の『なんで』」は考えることに慣れていない人には難しく感じます。自分と向き合い、深いところにある理由を言葉としてひねり出してこなければなりませんから。でも生徒たちはさすが!短い時間でも理由の理由をしっかり言葉にして伝えてくれます。最近、意見をシェアするときになんとも素敵な笑顔を見せてくれるようになりました。考えることを楽しんでいる様子。頼もしいです。
 
「それで」の「それで」: テキストとしている朝日中高生新聞に、ある中学の野球部が廃部の危機を乗り越えた話が載っていました。そこから「このAという中学には実は良きライバル校Bがあって(というのは講師の作り話)、B校の生徒たちはA校の野球部員をもっと増やすために協力したいと思っています。あなたがB校の生徒なら、何をする?」というお題を出しました。生徒たちが出してきた答えで秀逸だったのは「A校の町にたくさんの人に住んでもらうたとえば1万人とか」「B校の生徒でA校の野球部に入りたい人は、A校に転校してもらう」。このように考えるときに大事なのは「そんなことできるわけない」と決めつけないこと。そうやって自由に考えた上で「じゃあ、実際にやったら何が起きる?」と現実的に考えていく。ワイルドに、しかし現実的に未来を思考することを今後もどんどんやっていきたいと思います。

 

今月扱ったテーマ:コンテンポラリー・ダンスを見て考える(観察し、意見を持ち、発展させる)、チャドの出生率(問題の原因を考える)、イスラム教と天文学(知識の点と点を結んで線にする)、ライバルにがんばってもらうために自分ができることは?(未来思考、問題解決思考)


LAMJ-Advanced

 

リアルvsリアリズム:今月後半のLALanguage Arts、つまり「分析と議論を重ねることで辿り着ける言葉の技・スキル」)は前月に引き続き、中島京子作『妻が椎茸だったころ』(泉鏡花文学賞)を分析しました。この作品の魅力のひとつは、登場人物たちのキャラが炸裂する「リアル」なセリフ。しかし「本当にリアル」なセリフと、「リアルに思える」セリフとは違います。生徒たちはまず自分の家族のおしゃべりを分析、誰かが実際言ったことを素直に文字起こししても「リアルなセリフ」にはならないことに気づきました。読み手に「リアルだなあ」と思わせるセリフ—リアリズムなセリフ—はどんな工夫をしているのか?というディスカッションでは「他の登場人物に向けて言っているように見せかけて、実は読者に向かってメッセージを発している」「『ごめんなさい、あとで電話します』と言わせることで、この2人は普段電話でやり取りしているんだと読者にわからせる」「『お』教室、ということで、この小説のキーワードである『教室』を強調したかったのでは」など、実に鋭い指摘が出ました。そして実際に「リアリズムのセリフ」を書いてもらいました。
 
宿題とは何か: LAMJで毎週宿題を出す理由は「クラスの皆と議論するために必要な準備だから」「『宿題=約束』という捉え方を通して相手を尊重することを学んでほしいから」。これらの理由の根底には、学ぶということは「先生」「生徒」という上下関係ではなく、対等な人間同士だからこそ成り立つ、という確固たる信念があります。約束は破るためにあるんじゃない、議論するためには知識を得るなどそれなりの準備が必要である。そんなことも肌感覚でわかっていってもらいたいです。

 

今月扱ったテーマ:コンテンポラリー・ダンスを見て考える(観察し、意見を持ち、発展させる)、日本の少子化問題(様々な視点から考える)、登場人物をセリフから分析 (文章を科学的に分析する)、「リアルな肉声」と思わせるための表現スキル(ランゲージ・アーツ実践)

LAMJコース3月の学習内容(2025年)

  LAMJ-B 新年度に向けて、自分の気持ちと向き合う ( 気持ちのコンパス ) : ワクワクすること、心配なこと、知っておきたいこと、やっておくべきこと—この 4 つを方位磁石 ( コンパス ) に見立て、新年度を迎える自分とじっくり向き合って考えてもらいました。心配するのは...