LAMJ-B
事実と意見2.0:思考力の基礎でもあり、情報化社会を生き抜くための必須スキルである「事実と意見の線引き」。LAMJ-Bでは毎週必ず「〇〇について事実と意見を探す」ということをやっています。生徒たちの線引き力がどんどん上がってきたので、今月は「調査結果の数値をどんな言葉で表現すれば『事実』となり、どんな表現だと『意見』になるのか」を考えてもらいました。目の前にある「事実」にどこまで人間の解釈が入り込んでいるのか。ちょっとした言葉の違いで意味範疇はどれだけ変わるのか。皆、言葉への鋭い意識を持っています。
村竹ラシッド選手の「何が足りなかったんだろう」:ランゲージ・アーツ(LA)の基礎力をつけるために、さきの世界陸上で入賞した村竹ラシッド選手が試合後に泣きながら口にした「何が足りなかったんだろう」という言葉を取り上げました。「足りない」とはどういう概念か、「足りない」という言葉を使う背景に村竹選手にはどんな思いがあるのか。似て非なる表現と比較しながらディスカッションしました。
今月扱ったテーマ:偉人の言葉(フランツ・シューベルト、平塚らいてう、ウィリアム・バロウズ、グラハム・ベル)、事実と意見(クリティカル・シンキング)、質問は何のためにするのか(多様性理解)、村竹ラシッド選手の発言をランゲージ・アーツ的に分析(ランゲージ・アーツ、他者理解)、ウィリアム・バロウズの名言の翻訳をランゲージ・アーツで考える(ランゲージ・アーツ、言葉への意識)
LAMJ-A
自分たちで問いを立ててみて気づけたこと:テキストとしている朝日中高生新聞に「そもそも国籍とは何だろう」という問う記事があったことから、これをテーマに議論をしてもらいました。「そもそも国籍とは何だろう」のような遠大なテーマに取り組むためには、小さな問いを立てて一歩一歩議論を進めていく必要があります。LAMJでの議論はこれまで、講師が「小さな問い」を与えて生徒たちがそれについて話し合うという流れで行ってきましたが、今月は初めて自分たちで問いを立ててもらいました。色々おもしろい問いが出たところで実際議論してみると「あること」に皆が気づき始め…それは「どんな議論も、まずは言葉の定義から始めなければいけない」ということ。これを教科書などで「教わる」ことと、経験を通して自分たちで「見つける」ことには大いなる違いがあります。
小池真理子の「登場人物から見た世界を描き切る」技術を分析・応用:サブテキストにしている小説集から、今月は小池真理子さんの『テンと月』を読み、彼女が得意とする「登場人物にはどう見えて・聞こえていたのか」を描写する技術を分析、ディスカッションしました。皆すっかりランゲージ・アーツに慣れ、目のつけどころも分析の勘所も冴え渡っています。最後は、分析して見えた技術を自分たちの文脈に応用して作文しました。
今月扱ったテーマ:効果的な見出し・写真とは(伝える技術)、オススメの防災グッズの記事と見出しを書く(読者の立場に立って作文する)、国籍とは何か(哲学思考のための問いを自分で立ててディスカッションする)、小池真理子『テンと月』の語彙・構成・テクニック分析(ランゲージ・アーツ)、小池真理子『テンと月』のテクニックを応用する(ランゲージ・アーツ)
RFL
LP-2